業界誌情報コーナー
| <2010年9月6日掲載> |
| 今回は、「水産界2010.8」から、漁業緊急保証制度に関する記事から一部抜粋して紹介します。 お取引先の漁業者が設備資金や運転資金が調達できずに困っているような場合にお役立て下さい。 |
| <自己資金、保証人なしでも対象に 漁業緊急融資保証制度に喜びの声> |
| 平成21年度に導入された漁業緊急融資保証制度を利用して、漁船操業が継続できた漁業者から喜びの声が聞こえる。この制度は「浜に血の通う金融政策の確立を」と漁業者の強い要望で成立したもの(事業年度=平成23年3月末まで)。 燃油高騰等コスト高の中、漁価安、資源減少が続き、漁業者の経営は火の車だった。担保や保証人を求められても、すでに二重三重に設定している人が多い。こした状況を打開し漁業を存続させるため、緊急に設定された。合計1450億年の保証引受枠が計上されたが、21年度第一次補正予算では1200億円が計上され、その年の5月に実施要領が出され、7月から保証引受が開始された。 21年度の保証引受実績は6536件、747奥7700万円となり、保証枠1200億円に対する割合は62%、各都道府県などが予想した利用見込額992億円に対しては75%と順調な事業展開となっている。 この要因は、 @ 8000万円までの保証引受が無担保とされ、このうち1250万円までは無担保・無保証人とされたこと が上げられる。保証実績の一件当たりの平均保証引受額が1173万円であることから、無担保・無保 証人による引受が相当行われたことが伺える。 A また、この対策は、保証額に応じて負担しなければならない追加融資が不要となっており、0.8%を 超える保証料についても、国から補助が行われ、漁業者負担が軽減されている。保証を受けること による漁業者負担が大幅に軽減されたことも増加の大きな要因となっている。 B さらにこの対策は、保証可能な資金種類に限定がなく、負債整理資金についてはも保証が可能と なっている。しかし、負債整理資金については、借替緊急資金を除き保証引受可能額の3%以内で 部分保証という保証制度上の制約が設けられており、この制約を除外するためには、利子補給が 行われる県単資金を創設し、水産庁の承認を得る必要がある。この県単資金が13道県で創設され 、11道県において水産庁の承認を得たことも増加要因の一つにあげられる。 C その他、事業資金について「所持金の80%」規制が適用除外になり、事業資金の全額が保証可能 になったことや、漁協に固定していた購買未収金を長期の事業資金として保証したこともあると考え られる。 このように、漁業信用基金中央会で、21年度の緊急保証対策はかなり効果があったと分析し、1年間延長された22年度も同様の効果を期待している。 |
| 【緊急保証利用した漁業者の声】 |
| [その1] 漁業者は設備更新を希望しても、新造する代金や新品の設備を購入する余力がない。やむなく中古 品を購入せざるを得ない、ところが、中古品は融資・保証の対象になりにくかった。 その中、中古品の漁船、機関も融資保証の対象となる当該事業は、漁船漁業の維持安定に非常に 役立っている。また、年限も比較的長期に設定できることで、償還が非常に楽であり、さらに、金額的 に保証人を要しないことになっており、二重三重に喜んでいる。 (漁船購入、保証金5000万円、保証期間5年) |
| [その2] 現有船の船齢が、かなり古くなりエンジンのオーバーホール等整備をしなければいけない状況にあ ったが、整備資金を借りるための担保等がなく、これまで整備できないまま操業を行ってきたが、洋上 でのトラブルを恐れ計画的な操業が出来ず、水揚げは年々減少傾向にあった。 そんな状況の中、今回(無担保・無保証人)の制度資金が創設されたおかげで、漁船の整備資金を 借入することができ、計画的な操業が可能となり、経営の立て直しが図れるようになった。 (オーバーホール代、保証額240万円、保証期間10年) |
| [その3] 盛漁期に突然エンジンが故障し、早急にエンジンの購入が必要となったが、保証人を探す時間も惜 しい時期であり、自己資金の蓄えもなかったが、今回の緊急保証は無担保・無保証人で、自己資金も 不要であったため、ほとんど漁に影響なく機関換装できた。 (その他一般、機関換装940万円) |